2018年4月29日デュッセルドルフにおける「小さな」UIFF 国際ウラン映画祭の報告

チェルノブイリから32年を追悼して、反原発団体である「さよなら原発・デュッセルドルフ」は、2017年10月ベルリン国際ウラン映画祭において上映された多くの映画のうち、三本のドクメンタリーのみを選んで、それをデュッセルドルフで「小さな規模」で再度上映する催しを主催した。デュッセルドルフに住む日本人が「福島」を世界の問題としてとらえていることを世論に示す意図があった。つまり、福島の事故は今日までに至る世界で共通している原子エネルギー政策の欠陥が故に起きた事故だと位置づけた。映画は「ムルロアから愛をこめて」、「チェルノブイリ3828」、そして「福島-留まり続ける大惨事」で、歴史的に起きた順番から上映された。

実験的にこの映画祭のはじめに、三本の映画に共通する「主題テーマの質問」を観客になげつけた:「どうしてここまで、きてしまったのだろうか?」と。この質問は、(ヴンダリッヒさんの表現を借りれば「赤い糸のように」)映画祭全体を貫けて、観客に何に焦点を向けて映画を見てもらいたいか、また、映画の後の討論に自分の意見を準備する機会を与えることとなった。そのためか、討論はとても活発だった。このように、短い質問を映画上映の前に予め示しておいて、映画の後にそれについて討論するというやり方は、観客に共通テーマを意識してもらえる、いい結果になったと言える。

15分間の休憩のあとに、上記の放射能に関する三本の映画の他に「福島」には更に負の側面が今日の日本にあることを指摘した。「自主避難」をした女子生徒がいじめを受けているという短い映画のあとに、日本から来独した青木まさみ医師の講演があった。先生は日本で子供の甲状腺がんがますます過小評価される傾向があることを指摘し、また、予期されている南トラフ大地震の危険性(日本の原発は地震を起こすプレートの上に存在する)を強調した。

 

講演が終わったあとに討論に移った。そして、映画祭のはじめに提示した質問が繰り返された。また、「なぜかれらは嘘をつくのか?」「なぜ、情報が隠蔽されるのか?。。。」と付け加えた。観客の中からこの問に関してかなり極端な返事を出した者もいた。「政府は次の戦争に負けたくないからだ」などと。このような答えは参加した人々に何らかの印象を与え、このテーマについて更に考える契機を与えることになるかもしれない。

観客はドイツ人より日本人のほうが多かった。すべての映画に日本語の字幕があったので、わかりやすかったと思う。ドイツ語と日本語、両方の字幕を一緒に下に貼り付けたが、これはとても成功だった。30人という参加者の人数は討論会において、適切な数であった。

小さな「バッンビー映画館」はデュッセルドルフの日本人町の中心にあり、オルタナデイブな映画愛好者の集まるいい場所だったと言える。この映画館は「Arbeitsgemeinschaft Kino-Gilde deutscher Filmkunsttheater e.V. 」というドイツ映画愛好者のギルドに属し、「Biograph/Playtime」という月刊誌で40,000部数を発行しており、私達の映画祭の広告もしてくれる。


[Regisseur Benedito Ferreira nimmt FICA Preis entgegen]

Foto: Regisseur Benedito Ferreira nimmt die FICA-Trophäe
entgegen (Foto von N.Suchanek)

「FICA と国際ウラン映画祭 (IUFF) のパートナーシップには未来がある」と映画祭ディレクターの Márcia Gomes de Oliveira は確信しています。原子力エネルギー、放射能と、それがもたらすあらゆる問題は、現在私たちが書かている環境問題の中でもことに深刻なテーマです。FICA は環境問題を扱うラテンアメリカの映画祭の最大級のものであり、IUFF は原子力エネルギーや放射能の危険性をテーマとする世界最大級の映画祭です。「長期にわたってパートナーシップを続けていくための前提条件がすべて揃っている」と映画祭ディレクターはリオデジャネイロで語っています。

ゴイアスでの映画祭を終え、国際ウラン映画祭は第六回目のベルリンでの映画祭に向けて準備をしています。国際ウラン映画祭ベルリンは10月に、核問題をテーマにした新しい映画と映画監督、それに同時期に開催する展示会二つを引き連れ、ベルリンはPrenzlauer BergにあるKulturBrauereiの映画館とZeissの大プラネタリウムへ移動します。

 

International Uranium Film Fesival
http://www.uraniumfilmfestival.org

Kontakt
URANIUM FILM FESTIVAL PRODUKTION BERLIN
Jutta Wunderlich
Tel. 0172-8927879
Email: uraniumfilmfestivalberlin@gmx.de

INTERNATIONALES FESTIVALBÜRO
International Uranium Film Festival
Rua Monte Alegre 356 / 301
Santa Teresa / Rio de Janeiro / RJ
CEP 20240-195 / Brasilien
Email: info@uraniumfilmfestival.org
PHONE: (0055) (21) 2507 6704